ワシントン州のワインについて
ワシントン州はアメリカの西部に位置し、カナダ国境とオレゴン州に挟まれた、アメリカ第2位のワイン生産地です。この地理的な位置により、多様な地形、山脈、河川が存在し、これらの地形が影響を与える多彩な気候と土壌が広がっています。これにより、異なるブドウ品種の栽培に適した地域が形成されています。ワシントン州のワイン産業は旧世界と新世界のスタイルを融合させた独自のワインを生産し、急速に成長しています。
歴史 <詳細はこちら>
1825年、南西部オレゴンとの州境あたりに最初の種がイギリスから持ち込まれたことがブドウ栽培の始まりでした。1903年に行われた大規模なヤキマ川の灌漑工事により、乾燥地帯でも農業が盛んになり、ワイン産業の基盤が築かれました。その後、1960年代に最初の商業用ブドウ畑が設立され、シャトー・サン・ミッシェルを筆頭に多くのワイナリーが誕生し、ワシントン州を世界有数のワイン産地へと導きました。⇒もっと詳しく ワシントンワイン産業の父として知られるウォルター・クロア博士(Dr. Walter Clore)について

1970年代ごろ-ブドウを加工する
リック・スモール

1974年-カベルネとリースリングを植樹。
ゲイリーと叔父のジョージとビル・レオネッティ
地理・気候
約1,600万年前、地球上で最も大規模な火山活動の一つが発生し、玄武岩の溶岩流がワシントン州東部とオレゴン州北部を広く覆いました。その後、約15,000年前、氷河期の終わりに、古代のミズーラ湖の氾濫による壊滅的な洪水がワシントン州東部と中部に堆積土壌をもたらし、これらが現在のワシントンの土壌の基盤となっています。主なワイン産地となる東部は、太平洋からの影響を2つの大きな山脈に阻まれ乾燥した温暖な大陸性気候で、夏季に高温と晴天が続きます。夜間に急激に冷え込む特徴があり日較差が20度以上となる事も珍しくありません。これがブドウの酸味を保つのに役立ちます。また高緯度にある事から日照時間が長く、ブドウが多くの日光を受けて成熟し、風も適度に吹き抜けてブドウの健康を保ちます。また雨がほとんど降らない地域にありながら、コロンビア川(アメリカで4番目に長い)の豊富な水源により水不足の心配はなく、-15度以下になる事もある厳しい冬には病害虫は死滅。乾燥した夏と合わせ、農薬を使用する必要のない安全なブドウ栽培が可能となります。

コロンビア川玄武岩群

ミズーラ洪水で堆積した地層
AVA・ブドウ品種
現在21あるワシントン州のAVAは気候や土壌により多様で、多くの品種の成功に貢献しています。ワシントン州のAVAで最も重要なコロンビア・ヴァレーAVAは、州内99%のブドウ生産をカバーし、17のサブAVAを包括しています。1983年にワシントン州で一番初めに制定されたヤキマ・ヴァレーAVAは気候や地形が変化に富んでいるため、現在ではその中に更に5つのAVAに細分化されています。また、世界の多くのワイン産地とは異なり、ワシントン州は単一のブドウ品種やグループによる簡単な定義ができません。80以上の異なる品種栽培に適したその多様な気候条件により、多くの品種から素晴らしいワインを生み出す事ができるのです。それぞれのAVAについて詳しくはこちら→
最新統計データ
ワイナリー数 1,050+
ヴィンヤード数 400+
ブドウ栽培面積 22,662ha (56,000エーカー)
https://www.washingtonwine.org/より