ベヴァリー・ワシントン (ビバリー/ビヴァリー）

総面積約977haのべヴァリー・ワシントンAVAは、州内で最も小さなアペラシオンの1つです。この名前は、この地域に1900年代初頭に鉄道が開通した際に設立された、境界内にある非法人の町名”べヴァリー”に由来します。

主要な２つの特徴

• べヴァリーは暑いため、ほぼ全面的に赤い品種が植えられている。

• 風によってキャノピー(樹冠）とベリー（果粒）のサイズが小さくなり、果皮が厚くなる。

 

位置： ワシントン州中部

認定： 2024年

総面積：約977ha (2,415エーカー）

ブドウ栽培面積： 約162ha　(400エーカー)

主要品種 :カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベック、カベルネ・フラン

土壌 :砂地と石の多いローム質砂地

平均年間降水量 12.7cm (5インチ)

 

ベヴァリー・ワシントンはワシントン州中央部に位置し、北はロイヤル・スロープ、南はワルーク・スロープに挟まれ、コロンビア・ヴァレーAVAに含まれます。

この名称は、その地域内にある法人化されていない町に由来しています。この町は、1900年代初頭に鉄道がこの地域に開通した際に設立されました。

 

センチネル・ギャップ（サドル・マウント山脈の約2.4kmの切れ目）の北 約3.2kmに位置するベヴァリーは、栽培地として3つの主な特徴があります：

 

1つ目は暑さです。このアペラシオンは、栽培期間中に約3500日の有効積算温度を記録し、州内で最も暖かいAVAの1つとなっています。またべヴァリーの年間降水量はわずか12.7cmで、これはコロンビア・ヴァレーでも最も少ない部類に入ります。それは、このAVAが雨陰（レインシャドー）の恩恵を最大限に受ける地域であることが理由です。

 

２つ目は、風です。風はセンチネル・ギャップを通過するときに加速し、その後減速します。その結果、平均風速も1日の最大風速も、近隣のロイヤル・スロープよりかなり高くなります。

 

３つ目は、ベヴァリーの土壌は非常に水はけが良い事です。このAVAは、ミズーラ大洪水の2つの主要な流路の合流点に位置しています。洪水はセンチネル・ギャップのくびれによって速度を落とし、より重い堆積物が沈殿する事となりました。その結果、この地域には巨大な砂利洲があります。実際、べヴァリー砂利洲はAVAの36％を占めています。

 

ベヴァリーの暑さは、この地のブドウがほとんど赤系品種であることを意味しています。一方、風が吹くため、樹冠（キャノピー）と果粒の大きさが小さく保たれ、果皮が厚くなります。土壌は非常に水はけが良いため、生産者は水ストレスを非常に高いレベルでコントロールすることが出来るのです。

 

ベヴァリーには4つの主要な土壌タイプがあり、代表的なものはバーバンクBurbankとウィンチェスターWinchesterの土質です。その他にシャワナSchawanaとクインシーQuincyがあります。

 

総面積977haと、ベヴァリーは州で最も小さなアペラシオンのひとつです。また低地であり、標高約157～274ｍに位置し、平均標高は約183mです。

 

北に位置するのロイヤル・スロープに比べ、ベヴァリーはかなり暑く、標高もかなり低い位置にあります。また南のワルーク・スロープと比べると風が強く、土壌はやや粗いです。